日本周産期・新生児医学会周産期専門医制度について

日本周産期・新生児医学会 専門医制度委員会
委員長 高橋 尚人


 一般社団法人 日本周産期・新生児医学会(以下、本学会)は、「優れた知識と錬磨された技能を備えた周産期医療の臨床医を社会に送ることで社会の福祉に貢献すること」を目的に周産期専門医制度を発足させました。周産期専門医には、周産期専門医(新生児),周産期専門医(母体・胎児)の2つの領域があり,周産期専門医(新生児)は2004年4月1日から,周産期専門医(母体・胎児)は2006年4月1日から専攻医研修を開始しました。周産期専門医(新生児)は2022年7月現在1055名の専門医を認定し,周産期専門医(母体・胎児)は2022年7月現在1412名の専門医を認定しています。この一つの学会に二つの専門医の領域を置いた他に類のないユニークな専門医制度は、母体・胎児と新生児の領域の学問的ならびに臨床的交流を深め日本の周産期医療の発展に大きく貢献して来たと言えます。
 一方、日本の専門医制度は大きな変革の時に来ています。2014年5月7日に一般社団法人日本専門医機構が設立され、2018年より基本領域のプログラム制による新専門医制度での研修が開始され、2020年から機構認定の基本領域の専門医が誕生しています。また、24領域のサブスペシャルティ領域も認定され、2022年4月からカリキュラム制によるサブスペシャルティ領域の研修も始まりました。
 本学会の専門医制度は、以前に機構の前身である日本専門医制評価・認定機構が一つの学会には一つの専門医しか認めないという考えだったことから、周産期専門医という一つの名称で専門医を認定し、また専門医広告においても、2009年7月に厚労省は周産期(新生児)専門医を広告可能として承認しています。
 しかし、現在の機構は、一つの専門医は同じカリキュラムで研修を行う領域でなければならないとしたことから、今の周産期専門医は機構には認定されないことが明らかとなりました。そこで、本学会は2022年7月の総会で、周産期専門医を元の二つの領域に分けることを承認し、今後、具体的な制度を組み直すところに来ています。このように現在、この委員会は大変大きな仕事を目前にしていることになります。
 以上、本学会の専門医制度は非常に大きな変革の時を迎えています。母体・胎児専門医も新生児専門医も日本の医療を支える重要な専門医です。ぜひ、委員の皆さま、学会員の皆さまにおかれましては、持続可能なさらに良い制度となるように、更なるお力添えをよろしくお願い申し上げます。
 なお、2016年より新たに開始された本学会の認定外科医制度(小児外科)は現在166の小児外科医を認定していますが、専門医とは異なる資格であることから、今後は専門医制度とは別の制度に移動させることを検討しています。新生児外科領域も本学会の重要な分野です。こちらも変わらずにご支援よろしくお願いいたします。