理事長挨拶

ご挨拶

 2020年7月、第8代の日本周産期・新生児医学会の理事長に選任された長野県立こども病院の中村友彦です。本学会は、日本新生児学会(1965年~)と、日本周産期学会(1983年~)が2004年に統合して発足し、日本新生児学会発足から55年となります。現在、会員数は9,000名を超す大きな学会であり、母体・胎児・新生児に関連する医療、医学の水準の維持と向上を通じて、国民の福祉と医療の発展に寄与することを目的としています。本学会の最大の特徴は、産科、新生児科、小児外科、麻酔科、遺伝科等多くの専門家が母体・胎児・新生児のために集い、切磋琢磨し、一体となって活動していることです。

 周産期専門医制度は2004年に周産期専門医(新生児)、2006年に周産期専門医(母体・胎児)の研修が開始され、2020年7月現在、周産期専門医(新生児)948名、周産期専門医(母体・胎児)1,174名が全国で活躍しています。さらに2014年から学会独自に「学会認定外科医制度」を発足して、新生児医療に関わる122名の小児外科医が学会認定外科医として活躍しています。

 2007年に開始した新生児蘇生法普及事業は、日本蘇生協議会(JRC)の理事加盟学会として5年ごとに国際蘇生連絡委員会(ILCOR)のCoSTRに基づいた日本版新生児蘇生法(NCPR)ガイドラインを作成してきました。2020年はその改訂の年で、委員会を中心にその改訂作業をおこなっています。新生児蘇生法普及事業の目指すところは「全ての分娩に新生児蘇生法を習得した医療スタッフが新生児の担当者として立ち会うこと」であります。本事業の全国展開とその継続は、少子化の我が国に於いて、より安全な分娩を担保するために非常に重要です。

 周産期領域の臨床研究を推進していくために、新たな常設委員会として周産期臨床研究コンソーシアム委員会を立ち上げています。この委員会を中心に学会として臨床研究の推進に努めてまいります。是非皆様方から多くのアイデアを頂き、臨床研究の充実、学術活動の活性化を進め、周産期領域の新しいエビデンスの確立、新規診断法、創薬、医療機器の開発に力を注ぎます。

 「周産期医療従事者の働き方改革」に、学会として方向性を出したいと考えています。会員は順調に増えていますが、周産期医療の現場では、必ずしも「働き手」が増えている実感はありません。「働き方改革」は「重点化・集約化」なくして達成できません。学会として「周産期医療の重点化・集約化」の道筋を示します。

 本学会が日本の周産期医学・医療の発展にさらに貢献するため、尽力していく所存です。何卒よろしくお願いいたします。

 

一般社団法人           

日本周産期・新生児医学会
理事長 中村 友彦